学費の減免と奨学金
 
留学生に対する経済的な援助には、3つあります。
【1】学費減免(注)
【2】奨学金
【3】その他
(注)減免=負担を減らしたり、免除したりすること。

【1】学費減免
1 授業料の減免(免除)
*これは(財)日本国際教育協会の財源をもとに、大学院・大学学部・短期大学で勉強している留学生を対象に、授業料の30%を減免する制度です。学校に よっては、これに加えて、さらに+10~30%(合計で40~60%)を減免する場合もあります。特に国公立大学の場合、減免の割合が大きくなっていま す。
2 入学金減免(免除)
3 その他の費用減免(免除)

【2】奨学金
1 日本政府(文部科学省)奨学金
2 日本政府(文部科学省)私費留学生学習奨励費・・・2種類あります。
3 地方自治体奨学金
4 民間団体奨学金
5 学内奨学金

【3】その他
1 現金の支給
2 物資の支給
3 その他の支給


【1】学費減免

 主に授業料の減免です。

ほ とんどの大学、短大、大学院で、留学生は授業料の30%が減免されます。しかし、全員ではありません。出席率のあまりよくない学生や留学ビザ以外の学生は 対象から外れます。しかし、この30%という割合は固定されたものではなく、今後変動する(30%を下回る)可能性もあります。また、毎年減免されるとは 限りませんし、一方で、学校によっては40%~100%(授業料不要)の減免のケースもあります。

 ただし、最初から減免になるとは限りません。つまり、減免には、
・第1回目の納付金額がすでに減免後の安い額で済む場合
・入学前にいったん全額納付して、夏~秋に30%相当額が返還される場合
・後期納入分の授業料が差し引かれる(手元に現金は来ない)場合
があります。

・専門学校の中には減免制度のないところが多いです。
・研究生、聴講生は減免の対象にならないのがふつうです。

★国公立大学・大学院は50%~100%減免になります。(パンフレットには記載がなく、合格者宛の書類に申請書が添付されていることがある)

★入学金や施設費、活動費などが減免(免除)されるケースもあります。

◆100%減免(=授業料ゼロ)の制度がある学校(過去の実績例)
*希望者全員ではない。また、日本人と同一の枠もある。
年度が変わると実施されるとは限らない。確認してください。

私立大学

東北芸術工科  敬愛 駿河台 西武文理 淑徳 昭和女子 東海 東京経済  東洋 日本社会事業 名古屋商科 長崎国際 など
国立大学 お茶の水女子 電気通信 東京学芸  東京商船 信州 山梨 宇都宮 山形 新潟 京都教育 大阪  高知など
公立大学 東京都立 東京都立科学技術  横浜市立 静岡県立 大阪府立 など
私立
短期大学
埼玉女子 京都経済 長崎 など
このほかにもあるようですので、行きたい学校に問い合わせてみるのがいいでしょう。100%減免は、やはり成績の優秀な学生が対象になりやすいです。なお、専門学校には、ふつう100%減免はありません。

【2】奨学金

1 日本政府(文部科学省)奨学金

いわゆる国費留学生制度。国内採用の場合は進学した学校の推薦で決まります。ただし在籍中の成績が必要なため、初年度に採用されることは無理でしょう。

a 国内での採用
・研究留学生(大学院生)月額 180,300円 150名
・学部留学生 139,200円 140名
その他、授業料免除、帰国旅費支給なとの待遇があります。

b 海外からの採用
[大使館推薦による場合]
・研究留学生 月額 185,500円
・学部留学生 142,500円 など
その他、授業料免除、往復渡航費支給などの待遇があります。
[大学推薦による場合]
海外協定校の学生を大学が推薦するもので、金額は同じ。


2 日本政府(文部科学省)私費外国人留学生学習奨励費

A 一般の場合
学部生・専門学校生 月額 52,000円
大学院生 73,000円
入学後に学校の推薦で決まるので、1年生のときからもらうことも可能です。
*なお、日本語学校在籍時に予約する制度もあります。

B 日本留学試験を受ける場合(予約)
(私費外国人留学生学習奨励費給付予約制度)
学部生・専門学校生 月額 52,000円
6月・11月に実施される日本留学試験に出願する際、応募できます。試験の成績の優秀な人には成績の通知とともに奨学金予約のお知らせがあります。1年目 からもらうことができます。大学院生はありません。

C 日本語学校在籍時にもらえるもの
(日本語教育機関就学生学習奨励費給付制度)
月額 52,000円
大学や専門学校などに進学する前の、日本語学校にいるときにもらえる制度です。日本語学校から応募します。

3 地方自治体奨学金 ・・・都道府県、市、区などが設けているものです。

東京は留学生が多く、倍率が高くなるので、地方にいる留学生よりも受けにくいようです。

(実績例)
新宿区 年額 240,000円 10名
武蔵野市 60,000円 577名
八王子市 120,000円 100名
横浜市 600,000円 15名
大阪府 1,440,000円 3名


4 民間団体奨学金・・・主に留学生に関心の高い団体が募集します。

(実績例)
共立留学生奨学金
(学部生) 年額 1,200,000円 15名
平和中島財団奨学金
学部生 年額 1,200,000円 80名
大学院生 年額 1,440,000円 80名
ロータリー米山記念奨学金
学部生 年額 1,440,000円
大学院生 年額 1,800,000円 両方で1,000名(継続者含む)

・民間の場合、国籍、年齢、専攻、学校に制限、条件があることが多いです。
(例:アジア諸国出身者で30歳以下、都内私立大学の経済または経営学部の学部生)

5 学内奨学金 ・・・それぞれの学校で用意しているものです。

(実績例)
一橋 年額 540,000円 38名
学習院 300,000円 49名
東北工科芸術 1,680,000円 2名
明治 150,000円 5名
立教 200,000円 60名
早稲田 入学金相当額 115名
立命館アジア太平洋 授業料の35%~70%相当

・対象が留学生だけではない(=日本人と同じ条件)のものもあります。
・前年度の成績、出席状況が採用に関係します。
・専門学校で学内奨学金のあるところは、少ないです。あまり期待してはいけません。


[1~5 共通事項]

・支給期間は1年(または半年)がふつう。延長はなく、次年度は改めて申請します。
・1年生(入学時)は応募できないものもあります。
・他の奨学金との併給(いっしょにもらうこと)はできない場合があります。
・支給は毎月1回で、全額まとめて支給されることはあまりありません。

必ず奨学金がもらえると考えて入学するのは危険です。もらえない留学生が多いことを忘れずに。


【3】その他

1 現金の支給・補助 
-住宅費・昼食券 例:札幌大学
2 物資の支給 
-パソコン(貸与→卒業時に支給)
-生活必需品(自転車、電気製品など)
-学習用品(辞書など)
3 その他支給
-電車・バス乗車券
-生協食堂利用券
-図書券

●学費減免、奨学金などの経済援助の受けやすさは一般に、
東京などの大都市 < 地方の大都市
大学・短大 > 専門学校
古い学校(学部) < 新しい学校・新設校(学部) です。

●一つの国(地域)の留学生に集中しないように、バランスを取る(国籍を分ける)こともあります。
例:中国の学生ばかりに奨学金が多く渡らないように、韓国や台湾、香港、タイの学生などにも配分する。

●奨学金の多い学校=いい学校 とは限りません。また、奨学金の少ない学校=よくない学校  とも言えません。経済援助があるかないかだけで学校を決めず、教育内容や施設など、ほかの面もじっくり見て選ぶようにしましょう。